专利摘要:
トール油ピッチから植物性ステロールを単離及び精製する方法であって:a)トール油ピッチを溶媒に接触させることによってトール油と溶媒との混合物を作成するステップと;b)前記トール油ピッチと溶媒との混合物を、少なくとも2つの独立なプロセスストリームに分離するステップであって、第1のプロセスストリームは、酸性ピッチ成分を多く含み、第2のプロセスストリームは、遊離ステロール及びステリルエステルの形態の結合ステロールが濃縮されているステップと;c)遊離ステロール及びステリルエステルを多く含むストリームを、エステル交換反応条件下でアルコールによる処理に供するステップであって、反応混合物が形成され、ステリルエステルを含むステロールが遊離ステロールとして遊離されるステップと;及び、d)1つ以上の溶媒による結晶化及び抽出によってステップc)の反応混合物から遊離ステロールを分離するステップと、を具える方法を開示する。トール油ピッチから分離した遊離脂肪酸及び樹脂酸を開示する。さらに、本発明の方法による脂肪酸アルキルエステルの製造及び分離を開示する。なし
公开号:JP2011513578A
申请号:JP2010550634
申请日:2009-02-10
公开日:2011-04-28
发明作者:スティッグソン,ラーシュ;ネイデノフ,バレリ
申请人:サンパイン アーベーSunpine Ab;
IPC主号:C11B11-00
专利说明:

[0001] 本発明は、トール油ピッチ(TOP)及び植物性ステロールを多量に含むその他の材料からの植物性ステロールを単離及び精製する方法に関し、そのような源からのβ−シトステロールの単離及び精製に特に関する。本発明は、前記方法において形成された遊離脂肪酸(FFA)、脂肪酸アルキルエステル(FAAE)及び樹脂酸(RA)にさらに関する。]
背景技術

[0002] 植物性ステロールという用語は、植物中に天然に存在する一群の化合物を意味する。近年、食品添加剤及び化粧品添加剤、並びに、様々な医薬製剤中の活性成分などの広範な用途があるため、これらの化合物に対する関心が高まっている。過去数年に特に関心が高まっており、植物性ステロール及びその誘導体の需要をさらに増大させている領域の1つは、有効成分を定期的に使用することによってコレステロールを低下させる効果がある、いわゆる機能性食品の領域である。植物性ステロール及びその誘導体がヒト血液中のコレステロール値を低下させることは証明されている。]
[0003] 植物性ステロール群に含まれる化合物は、より大きいステロイド群の2つの類のうちの1つで構成される。もう一方のステロイド群の類は、例えばコレステロールなどのヒト及び動物中にみられる化合物からなる。ステロイドは、通常、4つの結合した環で構成される炭素骨格を特徴としたテルペノイド脂質である(ほとんどの場合は6−6−6−5型であり、前記6及び5は、各環の炭素原子数を表す)。ほとんどの場合、縮合環内の各環は、それぞれ頭文字によって表される。従って、多くの場合において、4つの結合した環構造がA−B−C−Dとして記載され、Dがシクロペンタン環に対応する。特性が明らかにされている既知のステロイドが数百種類も存在しており、主要な相違点はその官能基中にみられる。水酸基(−OH)官能性が環骨格(通常A環の3番目の炭素原子に)に結合しているときに、ステロイドがステロールと呼ばれる。すべての植物性ステロールは、シクロアルテノールタイプのステロールをベースとしている。これに対して、すべての動物性ステロイドは、ラノステロールタイプのステロールをベースとしている。]
[0004] 通常、植物性ステロールは、植物油加工中に濃縮及び分離され、食用油及び非食用油のいずれもが、植物性ステロール源のための有力候補として考えられる。従って、植物油製品に利用されるすべての作物を植物性ステロール源として使用することができる。その典型例は、限定されるものではないが、ダイズ、キャノーラ、コーン、綿実、パームなどから得られる油脂を含む。植物油中の植物性ステロールは、遊離形態で及び/又はステリルエステル(SE、対応する植物性ステロールと脂肪酸とで形成されたエステル)として存在する。ここで、全植物性ステロール含有率は、通常、最大1重量%以内である。植物油精製中に、植物性ステロールを多く含む残留ストリームを得ることができ、それを次のステロール分離用の源として用いることができる。]
[0005] 植物性ステロールのための代替源はトール油(TO)である。トール油は、パルプ工場及び製紙工場において入手可能な副生成物である非食用植物油である。トール油は木材の高脂肪親和性抽出物で構成される。木材蒸解(通常、クラフトタイププロセスによる)中に、これらの抽出物は、アルカリで補助された加水分解によって蒸解液に溶解される。このようにして得られた蒸解液は、一連の蒸散ステップにおいてさらに濃縮される。ある濃度において、可溶化された親油性成分は、自然に残留水性相から分離してその液からすくい取られる。得られたストリームは、多くの場合、トール油セッケン又は単にセッケンと呼ばれる。トール油セッケンは、通常、製粉工場において酸性にして、油相、トール油及びブライン水溶液を得る。得られたトール油(あるいは、より多くの場合に未加工トール油(CTO)と呼ばれる)は、通常、濃縮型のトール油生成装置に集めて、さらにアップグレードするために移送する。]
[0006] 未加工トール油は、酸性画分と中性画分とからなる。酸性画分は、遊離脂肪酸(FFA、35重量%〜60重量%)と、樹脂酸(RA、15重量%〜55重量%)にさらに細分され、両画分の成分は、カルボン酸官能性(−COOH)の存在を特徴とする。一方で、中性画分(5重量%〜35重量%)は、アルコール、アルデヒド、ケトン、炭化水素などなどの多数の化合物で構成される。これらの化合物の共通の特徴は、アルカリと反応する傾向がなく、従って不けん化物と呼ばれる。植物性ステロールタイプ成分はトール油の中性画分内で優勢であり、β−シトステロールが中性画分の主成分である。さらに、植物性ステロールは、木材蒸解中の加水分解条件のせいで、主として遊離ステロールとしてトール油中に存在する。それでも、いくつかのステリルエステルは、トール油中にもみられ、ステリルエステルの量は、主としてトール油源、前処理、及び、貯蔵条件に依存する。]
[0007] トール油のアップグレードは、通常、1つ以上の真空蒸留ステップを含んでおり、その目的は、2つの主成分画分、すなわち、遊離脂肪酸及び樹脂酸からなる画分を得ることである。それらを除去すると、高沸騰点画分が、植物性ステロールを多く含む底部ストリームとして残り、通常、トール油ピッチ(TOP)又は単にピッチと呼ばれる。得られるトール油ピッチは、様々な工場現場において低価格なエネルギー源として一般的に用いられている。植物性ステロールを単離する点では、処理を行う容積が小さいので、トール油ピッチは、初めのトール油よりも好ましい源である。飽和対応物のβ−シトスタノール、スチグマススタノール、カンペスタノールがそれぞれ小量みられるが、トール油中に存在する典型的ステロール及びトール油ピッチ中にそれぞれ存在する典型的ステロールは、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールを含む。]
[0008] パルプ及び製紙工業の副産物ストリームから植物性ステロールを単離するために、長年に渡って多くのプロセスが開発されている。植物性ステロールを多く含むストリームに応じて、様々な戦略が採用されてきた。]
[0009] ステロール単離のための好ましい源ストリームはトール油ピッチであるが、トール油セッケン及びトール油ストリームからのステロール単離について述べている従来技術のいくつかのプロセス開示に言及しなければならない。これらの開示中の根本原理は、しばしばトール油ピッチアップグレードに含まれるの特定のプロセス段階に適用されるからである。]
[0010] ステロールを含む中性画分がアルカリによって影響されないのに対して、主要な画分、すなわち、酸性画分が塩形態(通常、ナトリウム塩)であるので、セッケンストリームは、植物性ステロール単離のための魅力的な源である。さらに、セッケンストリーム中に存在するすべての植物性ステロールは、既に遊離した植物性ステロールとして存在している。米国特許第3,965,085号及び米国特許第3,803,114号は、パルプ及び製紙工場において入手可能なセッケンストリームに由来する中性画分を単離するための同様の方法を開示している。これらのプロセスの共通の特徴は、炭化水素をベースとする溶媒を用いて中性画分を抽出し、一方で、セッケンの酸性画分が水相中に残留することである。分離を容易にし、安定したエマルションの形成を防ぐために、補助的溶媒が、系、ケトン、又は、米国特許第3,965,085号及び米国特許第3,803,114号にそれぞれ記載されている低分子量アルコール中に導入される。工業規模で実証されているが、そのプロセスには、以下のように要約できる多くの欠点がある。
(i)処理すべき量が多い。
(ii)抽出ステップにおいて大量の溶媒を使用する必要がある。
(iii)高品質セッケン(黒液を実質的に含まない)が必要であり、そうでなければ、セッケン(水性)と炭化水素をベースとする溶媒相との相分離に広範な問題が生じる。
(iv)溶媒再生ループ(最低限の2溶媒が用いられる)を必要とする。
(v)セッケンから抽出された他の中性成分からさらに植物性ステロールを単離する必要がある;など。]
[0011] 植物性ステロール単離は、トール油ストリームについても同様に実証されている。トール油ストリームに含まれる植物性ステロールは、主として遊離ステロールとして存在しているが、一定量のステリルエステルもみられる。ステリルエステルの量は、トール油の出所、前処理条件、並びに、貯蔵条件及び貯蔵時間に依存する。]
[0012] 米国特許第2,280,843号は、トール油からステロール濃縮物を調製するプロセスを開示する。トール油ストリームは、適切な溶媒中に溶解され、得られた共通ストリームは、トール油の中性画分を保持する適切な収着剤の床を通過する。保持された中性物は、中性物質が容易に溶解する様々なタイプの溶媒の吸着剤床を通すことによって遊離させることができる。溶出された中性画分を溶剤蒸発によって濃縮して中性油を得て、その中性油からさらなるステップにおいてステロールを分離することができる。]
[0013] WO2004/080942は、未加工トール油からFAAEストリーム、RAストリーム、及び、ステロールストリームに分離するプロセスを開示する。このプロセスにおいて、トール油は、まず、アルキルアルコールによるFFAの選択的エステル化によって対応する脂肪酸アルキルエステルに修飾され、次いで、ホウ酸によってステロールエステル化され、対応するステロールホウ酸エステルが得られる。修飾されたトール油を真空蒸留によって分離することによって、ステロールホウ酸エステル濃縮物が得られる。この濃縮物は、ホウ酸エステルの加水分解によって遊離ステロールを単離するために用いられる。]
[0014] カナダ国特許第2349780号は、トール油ストリームからステロールを単離するプロセスを開示する。このプロセスにおいては、最初の未処理トール油を蒸留して遊離脂肪酸と樹脂酸を含む軽油画分を除去し、残留物がステロールを含んでいる。残留物は、濃縮された遊離ステロールを含む留出液と、高沸点残留物とにさらに分離される。ステロールは、適切な溶媒中における結晶化によってステロール濃縮留出物から分離される。]
[0015] トール油から植物性ステロールを単離することについて開示しているこのプロセスには、トール油セッケンの場合と同様に多くの欠点がある。
(i)処理すべき量が大きい。
(ii)多数の溶媒を使用する。
(iii)蒸留条件がきびしく、いくつかの場合には多数の蒸留ステップが必要である。
(iv)ほとんどの場合にステリルエステル、又は、特にこれらのエステルに含まれるステロールが再生されず、全ステロール収率が実質的に低下することがある。]
[0016] 商業上観点から、植物性ステロール及びその誘導体が最も濃縮されているので、トール油ピッチが特に興味深い。トール油ピッチから植物性ステロールを単離する数多くのプロセスが開示されている。しかしながら、トール油ピッチ中の植物性ステロールの状態は、トール油セッケン及びトール油中の植物性ステロールの状態とは著しく異なる。トール油ピッチ中においては、植物性ステロールは、通常、ステリルエステルとして存在し、わずかな量の遊離ステロールとしても存在する。ステリルエステル形態での植物性ステロールの存在は、かなりの程度で、トール油ピッチから植物性ステロールを単離できるプロセス構成をあらかじめ決めてしまう。]
[0017] WO99/42471は、トール油ピッチの完全な鹸化によってトール油ピッチからステロールを分離して、遊離脂肪酸と樹脂酸とをそれらのアルカリ塩形態で得て、結合ステロールを遊離させるプロセスを開示する。得られたセッケン相を酸性化してステロール含有量が多いトール油を得る。そのトール油をさらに蒸留して、遊離脂肪酸と樹脂酸とからなる揮発性の軽い留出液画分、及び、残留物画分を得る。次いで、残留物画分を蒸留することによってステロール濃縮物を得て、次に、そのステロール濃縮物を適切な溶媒を適用することによってステロール単離に用いる。]
[0018] 米国特許第2,715,638号及び米国特許第3,691,211号は、トール油ピッチからステロールを単離する同様のプロセスを開示する。トール油ピッチの酸性画分は、水−アルコール性アルカリ溶液で中和される。あるケースにおいては、セッケン相と油相との分離は、米国特許第3,691,211号に記載されている補助的無極性溶媒の添加によって容易になる。結合ステロールを含む油相は、ステリルエステルが遊離ステロールとその遊離脂肪酸の対応アルカリ塩とに加水分解される加水分解条件に供され、一方、セッケン相は廃棄される。冷めると、ステロールが結晶化し、分離することができる。]
[0019] 米国特許第2,715,639号は、トール油ピッチの水−アルコールアルカリ溶液の直接的な鹸化によってトール油ピッチからステロールを単離するプロセスを開示する。得られたセッケン相を多量の水で希釈し、冷ます。冷めると、ステロールが結晶化し、分離することができる。]
[0020] WO00/64921は、トール油ピッチからステロールを単離及び精製するプロセスを開示する。まず、トール油ピッチを完全に鹸化して、すべてのステリルエステルを遊離ステロールと遊離脂肪酸とに加水分解する。トール油ピッチの中性画分を、トール油セッケンの抽出について記載されているのと同様の技術によって抽出する。得られた中性画分は、ステロール金属付加物の調製によって高品質の植物性ステロールにさらにアップグレードされ、その付加物を分離し、次いで加水分解して遊離ステロールが得られる。]
[0021] トール油ピッチから植物性ステロールを単離することについて開示するプロセスに関する多数の欠点が存在しており、以下のように要約することができる。
(i)通常、アルカリ処理ステップの使用により、トール油ピッチの鹸化を行う。
(ii)さらなるセッケンストリームが生じ、これは、通常油脂ストリームをつくるのに酸性にする必要がある。
(iii)ステロールをさらに濃縮するためにきびしい蒸留条件を使用する。
(iv)ステロールを濃縮及び/又は分離するのに多量の溶媒混合物を使用する。]
[0022] 植物性ステロール単離の能力がある残留物ストリームは、バルクマトリックス組成物中において顕著に相違し得るが、単離手順の選択のための主要な基準は、ステロール状態、すなわち、主要なステロール画分が遊離ステロールからなっているか又はステリルエステル−結合ステロールからなっているかである。(i)植物性ステロール画分を高品質かつ高収率で単離することができ、(ii)源ストリーム(遊離ステロール及び/又はステリルエステル)の特別な性質に依存せず、(iii)前記リストに記載されている植物性ステロール再生についての既存のやり方の大部分の好ましくはすべての欠点をなくす、植物性ステロール再生のための万能な手順が必要であることは明らかである。]
[0023] 以下において、トール油ピッチから植物性ステロール画分を高品質かつ高収率で単離するプロセスを記載する。更に、その普遍的原理によって、植物性ステロールを多く含むあらゆるタイプの残留ストリームにこのプロセスを適用することができると考えられる。]
[0024] 本発明の主たる目的は、トール油ピッチを高価値な植物性ステロールにアップグレードして再生することである。先行技術よりも高い収率で植物性ステロールを単離及び精製するための万能なプロセスを提供することも更なる目的である。またさらなる目的は、遊離脂肪酸、ステリルエステル及び樹脂酸としてトール油ピッチに存在する結合脂肪酸を再生する効率的な方法を提供することである。さらに、本発明の方法で製造された脂肪酸アルキルエステルを提供する。]
[0025] 本発明は、トール油ピッチから高収率で植物性ステロールを生成することができる分離ステップと反応ステップとの革新的なシーケンスを開示する。遊離ステロールと結合ステロールの両方を再生することによって植物性ステロールの高収率を達成する。遊離脂肪酸、樹脂酸及び脂肪酸アルキルエステルなどの価値のあるその他の化学製品を、本発明に記載されている手順に従って再生することができる。]
[0026] 従って、本発明は、トール油ピッチから植物性ステロールを単離する方法であって、以下のステップ:a)トール油ピッチを高温で激しく攪拌しながら溶媒と接触させるステップであって、前記溶媒と前記トール油ピッチとの最大限の接触又は前記トール油ピッチの溶媒中の完全溶解を可能にするステップと;b)その混合物を冷却下で分離させて、2つのプロセスストリーム(i)遊離脂肪酸及び樹脂酸などの酸性ピッチ成分を含むストリーム、並びに、(ii)結合ステロール及び遊離ステロールの両方を含む修飾されたトール油ピッチストリームを形成するステップと;c)すべてのステロールを含む修飾されたトール油ピッチストリームを、アルカリ触媒及びC1〜C8アルキルアルコールの存在下でステリルエステルのエステル交換反応を促進する条件に供して、脂肪酸アルキルエステルと遊離ステロールのさらなる画分を形成するステップと;d)その反応混合物を冷却条件下で成熟させてステロール画分を結晶するステップと;e)脂肪酸アルキルエステル含有量が多いオイルストリームから前記形成されたステロール結晶を分離するステップと、を具える方法を提供する。]
[0027] 本発明の一実施形態によれば、反応ステップと分離ステップとのシーケンスによってトール油ピッチ(TOP)から植物ステロールを再生する方法が提供されており、この方法は:
a)25℃を超える温度においてトール油ピッチを溶媒に接触させることによって、トール油ピッチ溶媒混合物を形成するステップと;
b)前記トール油ピッチ溶媒混合物を少なくとも2つの独立したプロセスストリーム又は相に分離するステップであって、第1のプロセスストリーム又はプロセス相は、酸性ピッチ成分を多く含み、第2のプロセスストリーム又はプロセス相は、遊離ステロール及びステリルエステルの形態の結合ステロールを多く含むステップと;
c)遊離ステロール及びステリルエステルが濃縮されている第2のプロセスストリーム又は相を、少なくとも1つのアルコールと少なくとも1つの触媒とによる処理に供することによって反応混合物を形成するステップであって、前記ステリルエステルの少なくとも一部が遊離ステロールとして遊離されるステップと;及び、
d)ステップc)の反応混合物から遊離ステロールを分離するステップと、を具える。]
[0028] 上記ステップc)は、ステリルエステル分子のステロール部分の遊離ステロールへの遊離を含む。ステップc)がエステル交換反応によって行われると、新しい脂肪酸アルキルエステルが、ステリルエステル分子を含む脂肪酸と、これに対応するアルコールとの間に形成され、同時に、遊離ステロールの遊離が生じる。上述したように、本発明の一実施形態によれば、ステップc)はエステル交換反応によって達成される。]
[0029] しかしながら、遊離ステロールの遊離を生じさせるステップc)に代わるもう一つの反応タイプは、加水分解である。この場合、アルカリ触媒が用いられる。]
[0030] 本発明のさらなる実施形態は、以下の記載及び添付された従属請求項に記載されている。]
図面の簡単な説明

[0031] 図1の説明は、本発明のステロール濃縮及び単離の一実施形態を示す。] 図1
[0032] 図1に記載されている特別な実施形態において、予熱したトール油ピッチ(1)を撹拌反応器(2)内に入れる。最大(10%)の水を混合したメタノール(3)をトール油ピッチ(1)と1:1の量で前記反応器(2)内に注入する。メタノール(3)とトール油ピッチ(1)との混合物を高温に維持し、激しく攪拌してトール油ピッチの(1)とメタノール(3)との最大接触を確保する。均一な混合物(4)を容器(5)中に移し、冷まして分離させる。トール油ピッチの極性成分をメタノール水溶媒からなる上層に濃縮する。トール油ピッチの極性画分は、主として、遊離脂肪酸、樹脂酸、及び、トール油蒸留装置においてトール油分離中に生じた他の酸化生成物からなるストリーム(6)を通じて除去される。分離容器(5)から上層(6)を連続的に除去する。ストリーム(6)を含む溶媒は、再生され、溶媒ストリーム(3)として再利用するために(7)を通してメタノール水貯蔵ストックに戻される。ステロール及びステリルエステルは、底層(8)中に濃縮され、分離容器(5)から連続的に排出され、CSTR(9)に入る。ストリーム(8)は、約1.0mgKOH g−1以下の低酸価(AV)を特徴とする。ストリーム(8)は、ステリルエステル:メタノール=1:10の分子比及びステリルエステル基準に対して最大1.0重量%の水酸化ナトリウムに対応する量で、ナトリウムメトキシド(10)と混合される。この2つのストリームは、還流条件下で激しく攪拌されて反応し、ほとんどすべてのステリルエステルを脂肪酸メチルエステル及び遊離ステロールに変換する。反応混合物は、ストリーム(11)としてCSTR(9)から排出され、容器(12)中で冷却される。冷却されると、ステロールが結晶化して濾過で取り除かれ、未処理ステロールからなる濾過ケーキが分離される(13)。脂肪酸メチルエステルを多く含むストリーム(14)は溶媒再生に供され、ここでメタノールが分離され、メタノール水ストックと混合されてストリーム(3)として再利用する。脂肪酸メチルエステルを多く含むストリームをさらなる処理に導入して高品質のFAMEストリームを得る。] 図1
[0033] 本発明が上記に示されている特定の実施形態に限定されていないことは理解されるであろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物のみによって限定される。]
実施例

[0034] 本発明の詳細な説明
本発明の発明者らは、トール油ピッチから高純度かつ高収率で植物性ステロールを単離する新規で効率的な方法を発見した。さらに、樹脂酸と遊離脂肪酸からなる有益な副産物ストリーム、及び、脂肪酸アルキルエステルを多く含むストリームを再生する。]
[0035] 本発明の原料材は、トール油蒸留工場におけるトール油のアップグレード中に得られるトール油ピッチである。トール油アップグレードは、一連の真空蒸留ステップにおいて行われ、通常、まず揮発性画分が高沸点画分から除去される。揮発性画分は、遊離脂肪酸と樹脂酸からなり、さらなるアップグレードに供されて、独立したストリーム中に2つの主要酸種が得られる。トール油蒸留からの高沸点画分は、いわゆるトール油ピッチであり、未処理トール油の15重量%〜40重量%に相当し、主として、トール油源、組成、及び、大いにアップグレード中の動作条件に依存する。]
[0036] 典型的なトール油ピッチは、10重量%〜15重量%の遊離脂肪酸と、5重量%〜12重量%の樹脂酸と、約15重量%の低分子量中性物質と、約35重量%の高分子量材料とからなる。脂肪酸及び樹脂酸の約1重量%〜3重量%の画分は、エステルとして存在する。低分子量中性物質は、C20〜C24の脂肪族アルコールと植物性ステロールとからなる。低分子量中性物質の最も重要な特徴は、対応するステリルエステル(植物性ステロール脂肪酸エステル)及びワックスタイプエステル(脂肪族アルコール脂肪酸エステル)の形態でみられることである。さらに、トール油ピッチ中に存在する植物性ステロールのわずか約5重量%が遊離植物性ステロールとして存在しており、残りの植物性ステロールはステリルエステルの形態の結合ステロールである。ステリルエステルは、トール油乾燥、貯蔵及びアップグレードの間に生じる。]
[0037] トール油を乾燥処理(最大100℃超まで上げた温度及び適度な真空)に供して、トール油セッケン酸性化中に油に流入した最終量の塩水を除去する。さらに、未処理トール油は、通常、油凝固を防ぎ、そのポンプ能力を円滑にするために高温で保存される。未処理トール油蒸留は、非常に高温200℃〜300℃で、強い真空1〜10mbar条件化で行なわれる。ステリルエステルがエステル化反応によって生じることに留意すべきである。この反応は、一般に平衡反応であり、従って、確立されたあらゆる平衡が温度の変化、及び/又は、反応水などの反応生成物の除去によって崩壊し得る。トール油乾燥、貯蔵及び蒸留で用いられるすべての条件は、遊離植物性ステロールからステリルエステルへの変換を助ける。すなわち、未処理トール油の全処理シークエンス中(調製から最終分離まで)に、トール油ピッチ中でステリルエステルが生産及び濃縮される。ほとんどの場合、ステリルエステルの主要な画分は、トール油蒸留中に生じる。]
[0038] 本発明の一実施形態によれば、トール油ピッチは、約270℃未満の最高温度において真空下での未加工トール油の蒸留から再生される。]
[0039] トール油ピッチのかなりの部分は、高分子量材料である(約35重量%)。この表記は、通常、2個の脂肪酸又は2個の樹脂酸の縮合反応によって生じた様々な二量体成分を表す。この縮合反応は、通常、トール油蒸留工場におけるトール油アップグレード中に生じる。そのような二量体の興味深い特徴は、カルボン酸基を保持することができ、従って、例えば、そのようなサンプルの総酸度に寄与するということである。]
[0040] トール油ピッチは、リグニン断片及び無機塩(主として硫酸塩をベースとする)などの小量の汚染物質も含んでいる。両タイプの汚染物質は、トール油生産中は油相に保持されており、未処理トール油の全処理シークエンスに付随するものであり、トール油ピッチ中に濃縮される。]
[0041] 全体が本明細書に組み込まれているWO2007/050030A1特許出願に記載されている手順を実施すれば、上記トール油ピッチとは実質的に異なる他のタイプのトール油ピッチを得ることができる。このプロセスにおいて、トール油遊離脂肪酸の反応性カルボキシル官能性(−COOH)は、トール油分離前に、低分子量アルコールとのアルキル化反応によって対応するエステル体に「固定化」される。脂肪酸アルキルエステルの形態であることによって、(通常はトール油精製の蒸留段階中に)脂肪酸と植物性ステロールとのエステル化反応が生じ得なくなり、従って、最後にはトール油ピッチ中の植物性ステロールが遊離ステロールとして存在することになる。このタイプのトール油ピッチには、トール油乾燥及び貯蔵中に生じるいくつかの結合ステロールもみられる。]
[0042] 上記手順のいずれかに従って再生されたトール油ピッチは、撹拌反応器又は反応装置に供給される本発明の原料である。このプロセスの第1ステップの1つの目的は、トール油ピッチの中に最初に存在する極性成分、特に、カルボキシル官能性(−COOH)を有する成分が除去された、修飾されたピッチを生産することである。このプロセスステップのもう一つの目的は、遊離ステロール及び結合ステロールをさらに濃縮することである。これらの目的は、トール油ピッチを極性成分に対して親和性を有する溶媒に接触させることによって達成できるが、遊離ステロール及び結合ステロールはこの溶媒中では溶けにくいか又は溶けない。そのような溶媒は、メタノール(C1)、エタノール(C2)、イソプロパノール(C3)、大きくともオクタノール(C8)などの低分子量アルキルアルコールの群から選択することができる。好ましくは、前記アルコールは、メタノール又はエタノールから選択される。遊離ステロールは、これらのアルコール中において部分的に可溶性であるが、ステリルエステルは、C1〜C8アルコールに対して実質的に不溶性である。C1〜C8アルコール中における遊離ステロールの溶解性は、炭素原子数の増加、すなわち、メタノール(C1)からオクタノール(C8)になるに従って増大する。選択されたアルコールに一定量の水を加えることによって、望ましい溶媒特性、すなわち、トール油ピッチ極性成分に対する高親和性並びに遊離ステロール及びステリルエステルとの不相溶性を調製できることがわかった。水量は、アルコールに対して、2重量%〜20重量%の間、好ましくは5重量%〜10重量%、最も好ましくは7.5重量%〜10重量%の間で変えてもよい。水分を正確にコントロールすることで、トール油ピッチの極性成分に対する混合溶媒の効率及び選択率が確実に高くなり、遊離ステロール及び/又は結合ステリルエステルの存在を無視できるようになる。さらに多量の水(20重量%超)を使用することは可能であるが、トール油ピッチ中に存在する極性成分に対する抽出効率が大幅に減少することに留意すべきである。20重量%超の水を用いた場合の結果は、本発明の好ましい実施形態にあるような最上層としてではなく、底部ストリームとして容器(5)内に極性成分を含む層を有する可能性に相関する。]
[0043] 要約すると、本発明の一実施形態によれば、ステップa)において用いられる溶媒にはC1〜C8アルコールが含まれる。別の実施形態によれば、ステップa)において用いられる溶媒のすべて又はほとんどは、メタノールなどのC1〜C4の一価アルコールであるか、又は、C1〜C4の種々の一価アルコールの混合物である。さらに、一実施形態によれば、ステップa)において用いられる溶媒の主な部分又は全部は、メタノールと水との混合物などのC1〜C4の一価アルコールと水との混合物であるか、又は、種々のアルコールと水との混合物である。]
[0044] 図1中の反応器(2)は、トール油ピッチと溶媒との良好な接触を提供することができるいかなる処理装置であってもよい。良好な接触は、溶媒相に移されたトール油ピッチの極性成分量を最大化するために不可欠である。良好な接触は、例えば、様々な空間配置の邪魔板、超音波及びマイクロ波照射などと組み合わせた超せん断及び高せん断ミキサーによって提供することができる。良好な接触を提供するもう一つの選択肢は、トール油ピッチと溶媒とが接触する表面積を増やすことである。良好な接触を提供するための更なる他の選択肢は、より高温で作業を行なうことであり、それによってトール油ピッチの密度が実質的に低下し、従って溶媒とより相溶性になる。メタノール、エタノール及びイソプロパノールを用いるときは、そのアルコールの沸点を越えないように反応器(2)中の温度条件を選択する。この要件は、プロセス適用不可能性ではなく、実用的理由(より安全な条件に関する)及び経済的理由(非加圧の従ってより安価な装置の使用に関する)によって決定される。従って、反応器(2)中で生じるトール油ピッチの極性成分の抽出は、温度に関しては穏やかな条件で、すなわち、100℃よりも相当低い温度で、メタノールを溶媒として用いるときに好ましくは約60℃で行われる。] 図1
[0045] 要約すると、本発明の一実施形態によれば、ステップa)において25℃から約250℃の温度で激しい攪拌下でトール油ピッチを溶媒に接触させる。上に論じたように、使用する温度は使用する溶媒に応じて変わる。本発明の一実施形態によれば、ステップa)に用いる反応器は、少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器であってもよい。]
[0046] トール油ピッチと溶媒とは、通常条件において非混和性である。しかしながら、トール油ピッチの組成及びメタノール溶媒と混ぜるために用いる水量に応じて、反応器(2)から排出される混合物(4)の高温及び激しい攪拌は、単相系として存在し得る。しかしながら、容器(5)中で冷却するときは、図に示されているように、常に2つの独立した層が形成される。メタノール以外の他のアルコールを抽出に用いる場合には、ストリーム(4)における単相系の確率が高くなる。しかしながら、アルコールに混ぜる最適量の水の使用及び冷却により、常に図面に示されるような顕著な分離が生じる。]
[0047] 極性トール油ピッチ成分の分離は、ミキサーセトラーにおいて、すなわち、反応器(1)及び容器(5)の機能を組み合わせる単一工程ユニットにおいて提供することができる。ミキサーセトラーは、溶剤抽出法において頻繁に用いられる。その名前が示すように、ミキサーセトラーユニットは、混合工程/区画からなり、重力による相分離を可能にする静止沈降工程を後に伴う。混合区画は、高温での攪拌に実現性を与え、(溶媒の沸点よりも高い温度を用いる場合に)加圧することさえも可能である。ミキサーセトラーの混合区画は、いくつかの混合サブ区画からなっていてもよく、これらのサブ区画がそれぞれ独立に操作可能であり、言い換えれば、様々な混合方法を適用することができる。]
[0048] 従って、本発明の一実施形態によれば、ステップa)におけるトール油ピッチと溶媒との接触、及び、ステップb)におけるトール油ピッチから2つのプロセスストリーム又は相への分離は、ミキサーセトラー内で行われる。]
[0049] 上に述べたように、トール油ピッチの親和性特性を用いてステップb)を達成してもよい。従って、本発明の一実施形態によれば、トール油ピッチを含む酸性ピッチ成分の大部分は、ステップb)において極性溶媒に対するその親和性に基づいて分離される。しかしながら、中和、吸着、抽出、蒸留、又は、これらの組み合わせは、ステップb)における分離に使用することもできるが、これらの方法は、化学物質、エネルギーなどの面で要求されるものがより多くなるはずである。しかしながら、このステップの目的は、トール油ピッチの酸度を除去することである。]
[0050] 本発明のある他の実施形態によれば、トール油ピッチの酸性ピッチ成分は、ステップa)及びb)において、溶媒による少なくとも1回の抽出によって分離される。]
[0051] トール油ピッチの極性成分の抽出は、いくつかの工程で行う必要がある場合もある。抽出の回数は、酸性成分の除去における効果に応じて変わる。修飾されたトール油ピッチ(7)の酸価は、約10mg KOH g−1であり、好ましくは5mg KOH g−1未満であり、最も好ましくは約1mg KOH g−1である。修飾されたトール油ピッチ(7)が望ましい値に達することは、約30重量%程度のトール油ピッチ画分を分離することに相当する。従って、ステロール及びその対応ステリルは、ステロール及びエステルのいずれもが好ましい溶媒に溶解しないので、修飾されたトール油ピッチ(7)中に濃縮される。]
[0052] 修飾されたトール油ピッチの生産、すなわち、酸性成分を低減したトール油ピッチは、このタイプの抽出用に設計されたあらゆる商用ユニットを用いて向流型で抽出を行うことによって達成することができる。]
[0053] トール油ピッチの酸度は、中和及び適切な吸着剤への吸着などの他の周知のアプローチによって望ましいレベルまで低下させることができる。しかしながら、これらの2つのアプローチは、追加の装置、化学物質、追加の溶媒、吸着剤媒体などの使用を必要とし、従って、上述したように、本発明に記載されているプロセスを実施する場合、これらのアプローチがそれほど魅力的ではない選択となる。]
[0054] 本発明の重要な特徴について述べる。この特徴は、全体が本明細書に組み込まれているWO2007/050030A1特許出願において開示されている技術によって得られたトール油ピッチでこのプロセスを実施する場合に関係する。この場合のトール油ピッチは、大部分の植物性ステロールを遊離形態で含んでいる。結果として、ステロールは、容器(5)の低温部分の下端層内で結晶する可能性がある。そのような場合、ステロールを、例えば、傾斜法、濾過、遠心分離などの公知のあらゆる方法によって液体から分離して、未処理ステロールと油相を得ることができる。得られた未処理ステロールをさらに精製して高純度のステロールを得ることができる。ステロール収率が満足でない場合、図1に示されているプロセスによってトール油ピッチをさらに処理することができる。ストリーム(7)中に一定量の結晶化ステロールが存在するため、油相の扱いにおいて何ら困難が生じないことに留意すべきである。従って、ストリーム(7)中で遊離ステロールが結晶化するものの、本発明に記載されているプロセスは、なお実施可能である。さらに、トール油ピッチ中に存在するステロールは、結合ステロールの再生を後に伴う第1の遊離ステロール、又は、遊離ステロールの結晶化に関わりなく全工程を行ってプロセス終了時に全(遊離及び結合)ステロールを回収するという、2つの部分で再生することができる。] 図1
[0055] 本発明によれば、ステップb)の後の第2のプロセスストリーム又は相内の結晶化した遊離ステロールをこの工程で既に回収するか、又は、すべてのステップを行って後で全ステロールとしてこれらのステロールを回収する可能性がある。従って、本発明の一実施形態によれば、ステップb)の後の第2のプロセスストリーム又は相内で結晶化した遊離ステロールは、ステップc)の前に第2のプロセスストリーム又は相から分離される。]
[0056] 低い酸度を特徴とする修飾されたトール油ピッチ(ストリーム(7))は、CSTR反応器内にポンプで送り込まれて、C1〜C8低分子量アルコール及びアルカリ触媒と混合される。アルコールは、好ましくはメタノール又はエタノールである。高級アルコールの使用は、主として経済的な理由から魅力的な選択ではない。この処理の主な目的は、鹸化処理を要することなく、ステリルエステルとして存在する結合ステロールを遊離することである。もう一つの目的は、分離により適した形態でステリルエステルを含む脂肪酸を提供することであり、この場合、それらを、穏やかな蒸留条件で容易に分離される脂肪酸アルキルエステルに変形することである。]
[0057] 結合ステロールの遊離及び脂肪酸アルキルエステルの生成は、いわゆるエステル交換反応反応によって1つのステップで達成される。この反応においては、触媒としてのアルカリの存在下において過剰なアルコールと混合された任意の脂肪酸エステルが反応して、元の脂肪酸と過剰に加えられたアルコールとからなる新しいエステル化合物(FAAE)を生じさせる。脂肪酸アルキルエステル体の生成と共に、先にステリルエステルの形形態で結合したステロールが非結合ステロールとして遊離される。エステル交換反応反応は、有効な反応率のためにさらなる極限条件が必要とされるが、酸触媒によっても促進され得ることに留意すべきである。本発明の場合、トール油ピッチストリーム(植物性ステロールを主としてステリルエステルとして含む)をメタノール又はエタノールなどの低分子量アルキルアルコールの過剰量及び触媒としてのアルカリと混合して反応させると、ステリルエステルがその対応脂肪酸アルキルエステルに転換され、従って、結合ステロールが遊離ステロールとして遊離される。]
[0058] ステロール(遊離及び結合)を多く含む修飾されたトール油ピッチに対する2つの主な要件がある。それは(i)低酸価及び(ii)低含水量(好ましくは水を含まない)である。酸官能性が存在すると、それらがアルカリ触媒を消費し、対応する塩が生じ、従ってエステル交換反応を損なうので、低酸価が必要である。余剰酸度及び塩生成の場合において生じ得る他の問題は、(a)分離問題、及び、(b)鹸化された酸を再生するための酸性化ステップの必要性である。余剰酸度がもしあれば、アルカリ触媒をさらに追加することによって相殺することができる。もし水が存在すると、エステル交換反応機構に従って、ステリルエステルを含む脂肪酸によって、その対応脂肪酸アルキルエステルの生成ではなく、セッケン生成を促進するので、低含水率に関係した要件が課される。脂肪酸アルキルエステルではなくセッケンが生成される場合に、余剰酸度について述べた問題が適用される。]
[0059] 一実施形態によれば、ステップb)において得られた遊離ステロール及び結合ステロールを多く含む第2のプロセスストリーム又は相をエステル交換反応条件に供する前に脱水する。]
[0060] エステル交換反応反応は平衡反応である。この平衡を、過剰なアルキルアルコールを使用することによって、生成物の脂肪酸アルキルエステル及び遊離ステロールに移すことができる。ステリルエステルから脂肪酸アルキルエステルへのエステル交換反応を促進するために用いられる典型的なアルコール過剰は、ステリルエステル含有量と比較してモル基準で2倍〜20倍と様々であり、最も好ましくはこの過剰が6倍〜10倍の間である。]
[0061] 上述したように、メタノール及びエタノールが好ましいことは、主として経済的理由によって決まる。メタノール及びエタノールが好ましいことに関するさらなる検討は、エステル交換反応中に機能する立体効果に関連している。エステル交換反応は、極性化されたステリルエステル(カルボニルC=O基の炭素中心がわずかに負に帯電している)とアルコキシ(−OR)種などの電子供与体との四面体中間体の形態を含む。アルコキシ基中のRが小さいとき、すなわちC1、C2であるときに、そのような四面体中間体は容易に形成される。アルコキシ鎖がより長くなるにつれて、エステル交換反応の反応率が急激に低下する。]
[0062] 本発明の一実施形態によれば、遊離及び結合ステロールを多く含む、ステップb)において得られる第2のプロセスストリーム又は相を、ステップc)を行う前にある量の無水メタノール又は無水エタノールに接触させる。]
[0063] エステル交換反応の促進に用いるアルカリ触媒は、通常、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。それらのアルカリ触媒は、その固形性により、多くの場合、アルキルアルコールにまず溶解され、その後、修飾されたトール油ピッチ(本発明の場合はステロールソースストリーム)と混合されてエステル交換反応に作用する。このエステル交換反応は、植物油からのバイオディーゼル生成の範囲内の選択の反応であり、適切な触媒は、その対応アルキルアルコールとアルカリ金属との、いわゆる、アルコキシドアルカリ塩である。これらの触媒は、反応性が高く、ステリルエステルのエステル交換反応に適しているであろう。]
[0064] エステル交換反応は、不均一触媒によっても同様に促進することができる。そのような触媒は、例えば、天然にみられる又は人工的に合成されたスピネル様酸化物である。スピネル型酸化物は、二価酸化物と三価酸化物との組合せであり、通常、一般式MeO・Me’2O3によって表される。ここで、Meは、カルシウム(II)、マグネシウム(II)、亜鉛(II)、鉄(II)、マンガン(II)などの二価イオンであり、Me’は、例えば、アルミニウム(III)、鉄(III)、マンガン(III)、クロム(III)などの三価イオンである。他のタイプの不均一触媒は、ナトリウム又はカリウムイオン形態の陽イオン交換樹脂の群である。不均一触媒系を用いる長所は以下のとおりである。(i)反応混合物から除去するのが容易である。(ii)再利用が可能である。]
[0065] ステリルエステルからその対応脂肪酸アルキルエステルと遊離ステロールへのエステル交換反応を促進するのに特に適した他のタイプの触媒は、いわゆる相間移動触媒である。これらの触媒は、修飾されたトール油ピッチアルキルアルコールに類似したほとんど不均一な系、すなわち、混和性が非常に低い系に特に好適である。陽イオンのための相間移動触媒は、通常、クラウンエーテルをベースとしており、特に興味深いものは、そのカリウム形態である。]
[0066] 要約すると、本発明の一実施形態によれば、エステル交換反応を促進するためにステップc)において用いる少なくとも1つの触媒は、アルカリ水酸化物及びアルカリ土類水酸化物、スピネル様酸化物、陽イオン交換樹脂のアルカリ形態、相間移動触媒、並びに、これらの混合物からなる群より選択されるアルカリ触媒である。]
[0067] エステル交換反応反応が作用されるCSTRにおける激しい攪拌は、ステリルエステルからその対応脂肪酸アルキルエステル及び遊離ステロールへの高変換レベルに寄与する必要不可欠な要因である。激しい攪拌は、かなり非混和性の二相、すなわち、修飾されたトール油ピッチとアルキルアルコールとの間に実質的により大きい接触領域を提供する。]
[0068] エステル交換反応反応は、通常は還流条件で、高温において最も影響を受ける。高温にすることによって反応率が大幅に上昇する。アルキルアルコールの沸点を大きく超えた温度を用いることもできるが、その場合、アルコールを液体状態で維持するために加圧反応器が必要である。]
[0069] 従って、本発明の一実施形態によれば、ステップc)におけるエステル交換反応を、還流条件下のCSTRにおいて行う。本発明のさらなる一実施形態によれば、ステップc)におけるエステル交換反応を、加圧反応器内で100℃を超える温度において行う。]
[0070] このエステル交換反応は、ステリルエステルからその対応脂肪酸アルキルエステル及び遊離ステロールへの変換レベルが高められる。その変換レベルは、80%超、好ましくは90%超であり、いくつかの好ましい実施形態においては98%超である。]
[0071] ステリルエステルについて所望の変換レベルが達成されると、反応混合物がポンプで集合容器に送られ、その混合物は冷却されて熟成される。遊離植物性ステロールは、低分子量アルコール及び新たに生じる脂肪酸アルキルエステルのいずれにおいても溶解性が限られているので、冷ますと、混合物中に結晶相が生じる。傾斜法、濾過、遠心分離などの様々な周知技術によって結晶相を分離することによって、未処理ステロールストリームと、脂肪酸アルキルエステルを多く含むストリームとを得ることができる。適切な溶媒からの再結晶によって未処理ステロールストリームを精製し、主成分がβ−シトステロールである高品質なステロール生成物を得ることができる。]
[0072] 要約すると、本発明の一実施形態によれば、ステップd)における、ステップc)の反応混合物からの遊離ステロールの分離は、1つ以上の溶媒を用いて結晶化と抽出の少なくとも1つによって行われる。本発明のさらなる一実施形態によれば、ステップc)において得られる第2のプロセスストリーム又は相において結晶化された遊離ステロールは、固体の未処理ステロール画分として分離される。結晶化するときには、油をデカントして結晶を回収する、遠心分離を行って結晶を再生する、又は、結晶化後に結晶をろ過することもできる。]
[0073] 脂肪酸アルキルエステルを多く含むストリームは、アルキルアルコール再生を促進する条件に供される。再生されたアルコールは、本質的に非常に高品質であり、トール油ピッチ材料は、アルコールと共に除去され得る低沸点成分を含んでいないと考えられる。再生されたアルコールは、エステル交換反応に再利用するか又は修飾されたトール油ピッチの調製に用いることができる。脂肪酸アルキルエステルを多く含むアルコール再生後の油脂ストリームを分離して高品質な脂肪酸アルキルエステルのストリームを得てもよい。得られた脂肪酸アルキルエステルが高品質であるのは、脂肪酸アルキルエステルの沸点と残留する重いトール油ピッチ成分との間の高い温度差によるものである。得られた高品質な脂肪酸アルキルエステルは、自動車燃料又は自動車燃料の処方、溶媒、化粧品処方などに用いることができる。]
[0074] 本発明の方法のさらに別の実施形態によれば、脂肪酸アルキルエステルは、ステップd)の後に得られた反応混合物から分離される。]
权利要求:

請求項1
一連の反応ステップと分離ステップによってトール油ピッチ(TOP)から植物性ステロールを再生する方法において:a)25℃を超える温度でトール油ピッチを溶媒に接触させることによって、トール油ピッチと溶媒との混合物を作成するステップと;b)前記トール油ピッチと溶媒との混合物を、少なくとも2つの独立なプロセスストリーム又は相に分離するステップであって、第1のプロセスストリーム又は相は酸性ピッチ成分を多く含んでおり、第2のプロセスストリーム又は相は遊離ステロール及びステリルエステルの形態の結合ステロールを多く含んでいるステップと;c)遊離ステロール及びステリルエステルを多く含む前記第2のプロセスストリーム又は相を、少なくとも1つのアルコール及び少なくとも1つの触媒による処理に供することによって、前記ステリルエステルの少なくとも一部が遊離ステロールとして遊離された反応混合物を形成するステップと;及び、d)ステップc)の前記反応混合物から遊離ステロールを分離させるステップと、を具えることを特徴とする方法。
請求項2
請求項1に記載の方法において、ステップc)がエステル交換反応によって達成されることを特徴とする方法。
請求項3
請求項1又は2に記載の方法において、約270℃未満の最高温度で真空下において未処理トール油を蒸留することによって、トール油ピッチを再生することを特徴とする方法。
請求項4
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法において、ステップa)で用いる溶媒が、炭素数1〜8のアルコールで構成されることを特徴とする方法。
請求項5
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法において、ステップa)で用いる溶媒の大部分又はすべてが、炭素数1〜4の一価アルコールであることを特徴とする方法。
請求項6
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法において、ステップa)で用いる溶媒の大部分又はすべてが、メタノールであることを特徴とする方法。
請求項7
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法において、ステップa)で用いる溶媒の大部分又はすべてが、炭素数1〜4の一価アルコールと水との混合物であることを特徴とする方法。
請求項8
請求項1乃至4又は7のいずれか1項に記載の方法において、ステップa)で用いる溶媒の大部分又はすべてが、メタノールと水との混合物であることを特徴とする方法。
請求項9
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法において、25℃から約250℃の温度における激しい攪拌下で、トール油ピッチをステップa)の溶媒に接触させることを特徴とする方法。
請求項10
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の方法において、少なくとも1つの連続撹拌槽型反応器を用いて、トール油ピッチをステップa)で用いた溶媒に接触させることを特徴とする方法。
請求項11
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法において、トール油ピッチを含む酸性ピッチ成分の大部分が、ステップb)において極性溶媒に対する親和性に基づいて分離されることを特徴とする方法。
請求項12
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法において、トール油ピッチを含む酸性ピッチ成分の大部分が、中和、吸着、抽出、蒸留又はこれらの組み合わせによって分離されることを特徴とする方法。
請求項13
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法において、ステップa)におけるトール油ピッチと溶媒との接触、及び、ステップb)におけるトール油ピッチから2つのプロセスストリーム又は相への分離が、ミキサーセトラーにおいて行われることを特徴とする方法。
請求項14
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の方法において、トール油ピッチの酸性ピッチ成分を、ステップa)及びb)において溶媒による少なくとも1回の抽出によって分離することを特徴とする方法。
請求項15
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法において、遊離ステロール及び結合ステロールを多く含む、ステップb)で得られる第2のストリーム又は相が、1mgKOHg−1未満の酸価を有することを特徴とする方法。
請求項16
請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法において、ステップc)で得られた第2のプロセスストリーム又は相中の結晶化された遊離ステロールが、固体未処理ステロール画分として分離されることを特徴とする方法。
請求項17
請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法において、遊離ステロール及び結合ステロールを多く含む、ステップb)で得られる第2のプロセスストリーム又は相を、エステル交換反応条件に供する前に脱水することを特徴とする方法。
請求項18
請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法において、遊離ステロール及び結合ステロールを多く含む、ステップb)において得られる第2のプロセスストリーム又は相を、ステップc)を行う前に、ある量の無水メタノール又は無水エタノールに接触させることを特徴とする方法。
請求項19
請求項2乃至18のいずれか1項に記載の方法において、ステップc)におけるエステル交換反応を還流条件下のCSTR内で行うことを特徴とする方法。
請求項20
請求項2乃至18のいずれか1項に記載の方法において、ステップc)におけるエステル交換反応を100℃を超える温度で加圧反応器内で行うことを特徴とする方法。
請求項21
請求項2乃至20のいずれか1項に記載の方法において、ステップc)において用いた少なくとも1つの触媒が、エステル交換反応を促進するために用いられ、アルカリ水酸化物及びアルカリ土類水酸化物、スピネル様酸化物、アルカリ形態の陽イオン交換樹脂、相間移動触媒並びにこれらの混合物をからなる群より選択されるアルカリ触媒であることを特徴とする方法。
請求項22
請求項1乃至21のいずれか1項に記載の方法において、ステップd)における、ステップc)の反応混合物からの遊離ステロールの分離を、1つ以上の溶媒による結晶化及び抽出の少なくとも1つによって行うことを特徴とする方法。
請求項23
請求項1乃至22のいずれか1項に記載の方法において、脂肪酸アルキルエステルが、ステップd)の後に得られた反応混合物から分離されることを特徴とする方法。
請求項24
請求項1乃至23のいずれか1項に記載の方法において、ステップb)の後に前記第2のプロセスストリーム又は相内で結晶化された遊離ステロールを、ステップc)の前に前記第2のプロセスストリーム又は相から分離することを特徴とする方法。
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